細菌によって引き起こされる歯周病。その原因となる歯周病菌を除去するためには、PMTC(専門の器具を用いたクリーニング)やスケーリング(歯石除去)などのプロによるケアを必要とし、また、適切なセルフケアをしていただくためのブラッシング指導を行うことが一般的でした。
ですが近年、位相差顕微鏡による検査で歯周病菌の種類や数などを把握することが可能になり、さらにはその歯周病菌に効果的な薬や歯磨剤(歯磨き粉など)で、お口の中をきれいに除菌することができるようになったのです。歯周病が進行していない場合でも、歯周病の原因を根本から取り除くことで、症状が緩和され、進行しにくくなります。
歯周病菌を除去するための手術を行った場合、来院回数が多くなり、治療に数年かかってしまうこともあります。もちろん外科処置が必要な場合もありますが、まずは歯周内科でお口の中の歯周病菌を除菌してみてはいかがでしょうか?
歯周病の自覚症状の強い方ほど、歯周内科治療1週間後の変化を大きく実感していただけます。
噛んだときの痛み・
歯茎の腫れ・歯のぐらつきなどにも
改善がみられました!
レントゲンにはお口の中の細菌は写りません。だからこそ、顕微鏡検査が必要なのです。
お口の中の歯垢(プラーク)をほんの少し採取し、位相差顕微鏡で観察します。顕微鏡で見ることで、お口の中の歯周病の原因菌(らせん状菌、カンジタ菌、アメーバ、トリコモナスなど)の有無や量を確認することができます。
顕微鏡検査によって分かった菌の状態から、歯周内科治療をおすすめします。歯周病治療において、薬が必要かどうか、また必要であればどのようなお薬が最適なのかを診断します。
お口の中の現状を理解していただいたところで、一人ひとりの症状、歯周病菌の種類や量に合わせて、効果のあるお薬や歯磨剤を処方します。
投薬後、歯周病菌が減ったかどうか、再度、位相差顕微鏡を使用してお口の状態の改善度を確認します。
改善されたのを確認後、歯周ポケット検査を行い、歯石とりを行います。
歯石は単なる石ではなく、細菌の塊です。そこを住処にして細菌が繁殖するのです。歯周病菌も例外ではありません。つまり、歯石や歯垢をとることも、とても大切なことなのです。
お口の環境を守るためにも、治療後は定期的なメンテナンスが必要です。
ご自宅での丁寧なブラッシングだけではなく、細菌に再感染していないか、お口の中が再感染しやすい環境になっていないかを、歯科医院にて定期的に検査することが大切です。4〜6ヶ月を目安にご来院いただくことをおすすめします。(歯周病の症状が軽症の方は2~3回程度、重症の方はそれ以上の回数ご来院ください。)
歯石や歯垢をしっかり除去して歯周病を予防しましょう!
お口の中には約900種類もの細菌が潜んでいること、ご存知ですか?
その内の歯周病に関係する細菌の中でも、重度の歯周病に影響していると言われている最も悪い3菌種があります。
位相差顕微鏡でトレポネーマデンティコーラ(T,d菌)を確認することはできますが、その他の菌の種類や正確な菌数を知ることは難しいとされています。患者様の中には、位相差顕微鏡検査でT,d菌をほとんど確認できない患者様でも、歯周病の症状を訴えられる方もいらっしゃるのです。
その場合、他の検査結果と総合的に判断し、必要な場合は、Red Complexの種類や菌数を数値化し確認することができる「リアルタイムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法」によるDNA診断をおすすめしています。菌が特定されることにより、内服薬や抗カビ剤を使用した治療を進めることができます。